妊活中に鉄や葉酸などビタミン類のサプリメントを飲まれている方も多くいらっしゃると思います。
特に葉酸に関しては、胎児の正常な発育にとって重要な栄養素として摂取が推奨されています。(こども家庭庁HPより)
葉酸はビタミンB12とともに赤血球をつくる造血のビタミンともいわれています。また、DNAやRNAなどの核酸やたんぱく質合成を促進するので、細胞の分裂、複製、分化を助ける栄養素でもあります。
葉酸は、ほうれん草やアスパラガス、ブロッコリー、枝豆、海藻、いちご、バナナなどに含まれています。水溶性で熱に弱いので、蒸したり、そのままでいただくと良いでしょう。
通常の食事で摂る場合は心配ありませんが、サプリメントで摂る場合は、過剰摂取に気をつけたほうが良いでしょう。亜鉛の吸収阻害をおこす可能性があるほか、他の病気の発見が遅れるリスクもあります。「日本人の食事摂取基準(2020年版)」による目安は、成人男性、女性ともに一日あたり240μg、妊婦は480μg、授乳婦は340μgとされており、健康障害の回避を目的とする「耐容上限量」は、30~64歳で一日あたり1,000μg(それ以外の年齢では一日あたり900μg)としています。

葉酸と鉄分
葉酸とセットで摂取されやすいのが鉄分です。
鉄には動物性食品に多く含まれ吸収率の高い「ヘム鉄」と、植物性食品に多く含まれ吸収率の低い「非ヘム鉄」があります。
鉄分不足は、貧血やめまい、疲労、食欲不振、頭痛など、多くの症状につながり、女性にとって大切な栄養素と認識されている方も多いのではないでしょうか。
実際、鉄分は細胞活動のエネルギー源ATPの生産に関わっていて、鉄分が足りなくATP産生が難しくなってくると人間は少ないエネルギーを生きるための活動に優先させるため、生殖活動は抑制されます。不妊症につながるのは当然ですが、妊娠しても赤ちゃんが育たない不育症の原因にもなってきます。
鉄分の一日あたりの摂取推奨は成人男性で7.5㎎、成人女性(月経あり)で10.5㎎~11㎎です。摂取上限値は成人男性で50mg、成人女性で40mgといわれています。
摂りすぎると体内に蓄積してしまう鉄分は、活性酸素を生成し細胞を傷つけてしまう他、臓器障害のリスクが高まることも留意しておきましょう。

どうやって摂ればいい?
妊活中に大切な栄養素、鉄分、葉酸などのミネラルやビタミンをサプリメントなどで摂ることは手軽かも知れませんが、摂りすぎるリスクもあります。
また、サプリメントだけではなかなか栄養不足の解消に至らない場合もありますし、全体のバランスをとるのも簡単ではありません。
そこで妊活漢方がおすすめです。
卵の発育や卵胞、黄体ホルモン生成には栄養分や生命エネルギーが必要です。
漢方は、その足りない栄養を補うこと、養うこと、自分で自分の心身を整えていく方法を考えていきます。
漢方薬プラス食養生プラス生活養生で、妊活をサポートしていきます。
妊活には、お父さんお母さんの心身の状態をふさわしい状態にしておくことが一番重要です。
父体、母体に赤ちゃんを産み育む準備ができていないと、どんなにサプリメントを飲んでも、薬を飲んでも、人工授精をしても、なかなか良い結果にはつながらないと思います。
赤ちゃんを授かる、育てる、そのためにはまず父体、母体が健康になる!
妊娠したいと思った時からしっかり食べて寝て、漢方の智慧を活用して、妊活モードをつくっていきましょう!
血を補う血を養う生薬
当帰(とうき)
【性味】温・辛い・甘
【帰経】肝・心・脾
【薬効】補血・活血・止痛・潤腸
セリ科の多年草、女性の宝ともいわれ血を補い、めぐりを良くし、健康にも美容にもおすすめの生薬です。
竜眼肉(りゅうがんにく)
【性味】温・甘
【帰経】心・脾
【薬効】補益心脾・養血安神
樹高10mほどのムクロジ科の常緑小高木、竜眼の果肉。血を養い、精神バランスを整えます。
熟地黄(じゅくじおう)
【性味】微温・甘
【帰経】肝・腎
【薬効】養血滋陰・補腎填精
コマノハグサ科の多年草、地黄の根茎を蒸して乾燥したもの。補血滋陰に優れていて血の量・質を整えます。
芍薬(しゃくやく)
【性味】微寒・苦・酸・甘
【帰経】肝・脾
【薬効】養血通経・平肝止痛・斂陰止汗
ボタン科の多年草、芍薬の根を乾燥したもの。血を養い、精神バランス、陰陽バランスを整えます。
党参(とうじん)
【性味】平・甘
【帰経】脾・肺
【薬効】補中益気・生津養血
キキョウ科の植物、気と血を養い、胃腸障害や疲労回復にも役立ちます。
