ストレスと胃腸

ストレスと胃腸

強いストレスを感じたり、ストレスフルな状態が続くと、「食欲不振」になったり「胃が痛い」「おなかがゆるくなる」といった症状から、胃炎や胃潰瘍、胃がんといった深刻な病気につながります。

これはストレスが起因となり、自律神経中枢の働きが低下し、交感神経と副交感神経のバランスが乱れ、胃液の分泌の増加や胃粘膜の生産低下などを引き起こし、自分自身を消化してしまうからです。

 

鉄をも溶かす強力な胃酸なぜ胃は溶けないのか?

胃液の分泌量は一日に2000ml以上といわれています。
胃液の仕事は、細菌やウイルスの殺菌、有害物質の分解、及び食べたものの消化です。

空腹時はPh1-1.5ほど、食事中はPh4-5ほどの、非常に強力な酸性で、炭水化物やタンパク質、脂質を溶かして消化します。胃液の中に鉄を入れるとしばらくするとボロボロになりますが、すいかの種やとうもろこしなどは酸で解けない物質セルロースで守られている為、溶けずに十二指腸へと運ばれます。(植物の種はもとより食べられる事を想定している為と思われます)

これほど強力な胃酸が、5ミリほどの薄さの胃を溶かさないのは、胃粘膜があるからです。

胃粘膜は「食べものを食べたよ」という脳からの信号で、胃液と同時に分泌されます。また、胃粘膜自体が強いアルカリ性なため、胃酸が胃壁に触れようとしても直ちに中和されるという仕組みになっています。

しかし、何らかの原因で自律神経が乱れ、脳からの信号が正常に届かないと胃粘膜の分泌が足りない、あるいは胃酸の分泌が多すぎる、といったアンバランスが発生し、胃を溶かしてしまうことになります。

 

胃腸は脾胃

中医学では、胃など消化吸収に関わる器官を脾(ひ)と呼びます。

脾(ひ)は、統血や味覚・食欲の他、食べものを消化吸収し、栄養物や水分を体のすみずみに送り届ける働きを担っています。

そしてこの脾(ひ)の消化吸収の働きを助ける、疏泄(そせつ)の役割を担っている臓が肝(かん)です。

 

肝(かん)には気のめぐりを調整する働きもあり、通常はストレスや過労による気の乱れも肝(かん)が調整しています。

しかし、例えば肝(かん)の機能が低下していたり、受けるストレスが多かったり、過労が蓄積したりしていると、気の流れが滞り、消化器系の脾(ひ)の働きに影響する事もあります。

滞った気が胃で発散されるとゲップに、腸へいくとおならになり、発散されずに溜まった状態では、膨満感や胸やけといった症状が表れます。

ですので「胃が痛い」「胃もたれがする」といった胃の症状全般に対して、中医学では脾(ひ)と肝(かん)の両方がきちんと働いているかどうかを調べ、対応していきます。

 

ストレス胃のためにできること

胃の為には、原因を取り除くことが一番です。

薬のせいなら、薬をやめ、アルコールの多量摂取や喫煙、暴飲暴食をやめられれば良いのですが、ただ、ストレスフルと感じていても今の環境をおいそれと変えられない、という方も多いのが実状です。

少しずつ胃腸の働きを高め、胃を丈夫にし、ストレスに負けない健康な毎日を目指す為のポイントをおさえましょう!

 

  食事を抜かない、腹八分目で三食を食べる。
  季節の野菜を、火を通してたっぷり食べる。
  冷たいもの、生ものの飲食は控える。
  就寝3時間前からは食べない。
  充分な睡眠を心がける。
  イスに座り、背筋を伸ばして食事する。
  ひとくち30回は噛み、唾液の分泌を促す。
  香辛料などの刺激の強いもの、味の濃いもの、添加物を避ける。
  肥満と便秘は改善する。
  空腹時の飲酒を避け、喫煙はやめましょう。

 

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