中医学(中国漢方)では、血液の粘度が高くなり流れが悪くなった状態をおけつといいます。
血液の主な役割は、全身に栄養や酸素を届け、体温を維持し、不要なものを排出することですが、血液の流れが悪くなるとこの働きがスムーズに行えないばかりか、粘度が高くなるということは血栓形成など、重大な問題を引き起こすことにつながります。
現代の日本の生活スタイルにおいては、おけつになる要因が様々なところに点在しています。
エアコンの使いすぎによる体温調節機能の低下
運動不足
働きすぎによる心身過労
偏食・外食・冷凍食品などの食生活の乱れ
ストレスフルな生活
寝不足、夜更かし
「人間も宇宙の一部であり、人間のなかにも小宇宙が存在する」というのは中医学の考えですが、本来人間は、日の出とともに動きだし日中はよく活動し、日の入りとともに活動をやめ静かに眠る、というスタイルが理想的です。
働きものの日本人の感覚では「それでは只のなまけもの」と思われるかも知れません。
ただ「本来そういうもの」と頭の隅に置いておいて頂いて、今後の生活スタイルの参考にして頂ければと思います。
さて、血の流れを川に例えると、健康な心身の血は、さらさらと淀みなく流れる清流の如くです。この川の流れが何らかの原因によって滞ってしまうとおけつとなります。
おけつの原因別に代表的な6タイプをご紹介します。
元気不足の気虚(ききょ)タイプ
元気がないとよく言われる
すぐ息切れする
倦怠感がある
汗をかきやすい
風邪をひきやすい
食欲不振、食が細い
下痢をしやすい
寒がりの陽虚(ようきょ)タイプ
手足が冷える
冷えやすく温まりにくい
夜間尿がある
むくみやすい
平熱が36度5分以下
顔色が悪い
倦怠感、いつもだるい
栄養不足の血虚(けっきょ)タイプ
顔色が白っぽい
貧血、立ちくらみがある
動悸がある
眠りが浅い
お肌に艶がない
生理が遅れやすい
生理経血量が少ない
潤い不足の陰虚(いんきょ)タイプ
喉が渇きやすい
水分補給量が多い
手足がほてる
のぼせやすい
寝汗がある
お肌が乾燥しやすい
皮膚に炎症をおこしやすい
イライラ気滞(きたい)タイプ
胸やわき腹に張った痛みがある
ため息が多い
イライラしやすい
人前では我慢する
ストレスフルな環境にいる
心配事が絶えない
緊張しやすい、情緒不安定
顔色が黒い
滞った痰湿(たんしつ)タイプ
頭が重だるい
胸がつかえることが多い
吐き気、ゲップが多い
日中に眠くなることがある
口の中が粘っこい
むくみ、水太り
舌にべったりした苔がついている
おけつは万病のもと、心配な症状が少しでもあれば、お気軽にご相談にいらしてください。