アトピー性皮膚炎かゆみのメカニズム

アトピー性皮膚炎のかゆみの原因

アトピー性皮膚炎のかゆみを引き起こすIL-31が作られるメカニズムは、2022年の九州大学生体防御医学研究所(http://www.bioreg.kyushu-u.ac.jp/)の研究結果発表によって解明されました。

主にヘルパーT細胞から産生されるかゆみ原因物質、IL-31の産生に重要なタンパクとしてEPAS1を同定しました。

ヘルパーT細胞は、白血球のリンパ球の一つで、免疫系統の司令を出すという役割を担っています。ヘルパーT細胞は特に感染した細胞をみつけて攻撃する仕組みに関わっています。

アトピー性皮膚炎かゆみのメカニズム、もも木薬局

 

アトピー性皮膚炎を発症中のマウス2匹中、EPAS1ができないようにしたマウスには皮膚の炎症が見られず、何もしていないマウスには皮膚炎症が見られ掻き壊しがあったとのことです。EPAS1がなければ、IL-31の産生も難しい、ということになるでしょうか。

ただ、まだまだ考えなくてはいけないことはありますね。

EPAS1(HIF2α)が低酸素の環境下において、血管や心臓の働きを活性化し環境適応能力を発動することは知られています。全くいらないタンパクでもないのです。IL-31(インターロイキン31)も同様で、そもそもIL-31は、液性免疫を制御するサイトカインの一つなので、これも全くいらないものでもないのです。

つまり、EPAS1が発現しないようにすると、アトピー性皮膚炎のかゆみも発現しない可能性が高まるのですが、他の部分での問題発生の可能性を無視できないといえます。

ヒトもその他の生きものも、植物も地球もとても複雑でよく出来ています。絶妙なバランスで、それぞれ均衡を保っています。

今わたしたちに出来ることは、皮膚のバリア力を強化し、また、免疫バランスを整えていくことに尽きます。

 

皮膚のバリア力を強化しよう!

アトピー性皮膚炎かゆみのメカニズム、もも木薬局

 

皮膚バリア力を強化するポイントは・・・
  皮膚常在菌を守る
  皮脂を守る
  角質層を守る

皮膚を守ってくれているのは主に、常在菌・皮脂・角質層です。

菌というと、悪いものに思われがちですが、常在菌は人間にとって良い影響を与える必要な菌です。必要以上の殺菌・抗生物質などはこの必要な菌をも減少させてしまい、結果的に皮膚のバリア力を低下させる要因となります。皮脂も同じように体表部を守り、皮膚の内部にまで外敵が入り込むのを防ぐ役割を担っています。

また、角質層は水分と油分の層を交互に配置し構成されている層で、ここでも体内に悪いものが入りこまないようにしています。

ですから、洗いすぎない、殺菌しすぎないことが大切です。

まずは、洗浄力の強い石鹸は使用しない、合成界面活性剤が入ったものや殺菌作用のある基礎化粧品は使用しない、また、熱いお湯の多用を控え、洗ったあとはすぐに保湿を心がけましょう。

 

免疫バランスを整えよう!

アトピー性皮膚炎、免疫バランスを整えよう!もも木薬局

 

現代医学でもアトピー性皮膚炎の方は免疫バランスが崩れている状態といわれます。免疫力は絶妙なバランスをとりながら成り立っているのです。

中医学の考えかたでは、体表部は衛気(えき)という気でおおわれていて、衛気は外部から心身を守っています。衛気を含む気(=エネルギー)は先天性(生まれもったもの)もありますが、後天性としては主に食べものから作られます。

実際に、免疫力が低下した方には胃腸機能が弱っている方が多く見受けられます。

食欲不振、食後お腹が脹る、食後眠くなる、軟便、手足にカが入らないという方は胃腸の働きが低下している可能性があります。

また、食事をおそろかにしていると破壊された組織をなかなか修復することができないので、お肌の調子も改善しにくく、病気になりやすく治りにくくなります。

食生活を見直しながら、漢方薬の助けを借りながら、衛気を養い、免疫バランスを整えていくと良いでしょう。

アトピー性皮膚炎かゆみのメカニズム☆さいたま市の漢方薬局もも木薬局におまかせ!

皮膚に炎症がある方には消炎し、皮膚の栄養や潤いが足りない方には補血や養血を、免疫力を補うには補気、益気を、胃腸の調子が悪い方には補脾や健脾、といった風に、同じ「アトピー性皮膚炎」でも対策はお一人お一人違います。

お一人お一人の症状や体質、生活スタイルによって合う漢方薬、外用薬が違ってきますので、詳しくはもも木薬局にご相談にいらしてください。

 

おひとりおひとりのお話をきちんとお伺いし、漢方薬のご提案から食養生、生活養生のアドバイスを差し上げております。ご予約優先のため、よろしければお電話にてご予約をお願いいたします。お気軽にご相談にいらしてください。

 

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