イボ(いぼ)の歴史は古く、日本各地に、いぼ地蔵やいぼとり地蔵がたくさんあります。
葛飾区の極楽寺のいぼとり地蔵に塩をふりかけてその塩を塗るとイボがたちまち治る、というお話しや、広島市の安佐南区にあるいぼ地蔵のそばにそびえる松の葉でイボをつつくとイボが取れる、というお話しなど。手の届く下のほうの松葉は(全部取られてしまい)なかった、といいますから、昔からイボはとても一般的な皮膚病だったことがわかりますね。
皮膚科でいうイボは通常「ウイルス性疣贅(ゆうぜい)」を指します。
ミズイボは「伝染性軟属腫(でんせんせいなんぞくしゅ)」のことで、老人性イボは「老人性疣贅(ろうじんせいゆうぜい)」または「脂漏性角化症(しろうせいかくかしょう)」を指します。
イボにも色々種類があり、それぞれ原因が違います。「あれ?これはイボかな?」と思ったら、まずは皮膚科で診断していただくか、専門家にご相談いただくと良いでしょう。
ウイルス性疣贅(ゆうぜい)
ウイルス性疣贅(ゆうぜい)は、ヒト乳頭腫ウイルス(ヒトパピローマウイルス)に感染してできるイボです。
ヒト乳頭腫ウイルス(ヒトパピローマウイルス)が、皮膚の小さな傷口などからはいりこみ、基底層にある細胞に感染して増殖、その感染細胞の塊がイボです。
また、このヒト乳頭腫ウイルス(ヒトパピローマウイルス)は昔は1種類と思われていましたが、すでに150種類以上あることが確認されていて、推定では1000種類を超えるといわれています。
ウイルス性疣贅(ゆうぜい)で最も多いとされる、子どもの手足にできやすい尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)は、ヒト乳頭腫ウイルス(ヒトパピローマウイルス)の2型・27型・57型になります。
足の裏にできやすいイボ、足底疣贅は1型・4型・60型・63型・65型など、うでや顔にできやすいイボ、扁平疣贅は、3型・10型など、と、見た目やできやすい箇所が違う様々なヒト乳頭腫ウイルス(ヒトパピローマウイルス)がいます。
人にうつるの?
健康な皮膚であれば、うつる可能性は極めて低いでしょう。
ただし、ヒト乳頭腫ウイルス(ヒトパピローマウイルス)は、皮膚の小さな傷口などからはいりこむウイルスなので、皮膚に傷があったり、アトピー性皮膚炎など免疫力が低下している状態であれば、十分な注意が必要です。
治療方法は?
特効薬はまだありません。皮膚科で多く使われている治療方法としては、液体窒素を用いた冷凍凝固療法や電気焼灼法、またグルタルアルデヒドという殺菌消毒剤を用いた療法があります。
漢方では、利水作用(余分な水分の排出を促す)があるものや清熱排膿(せいねつはいのう)作用のあるものなど、その方に合った漢方薬・生薬・オリエンタルハーブを選び、用います。
イボと水イボの違いは?
ウイルス性疣贅(ゆうぜい)の原因ウイルスは、ヒト乳頭腫ウイルス(ヒトパピローマウイルス)で種類も多いと先述しましたが、水イボはヒト乳頭腫ウイルス(ヒトパピローマウイルス)とは全く違う伝染性軟属腫ウイルスに感染する皮膚病です。
水が入っているかのような膨らみなので水イボと呼ばれているのですが、中身はモルスクム小体というウイルスに感染した細胞の塊です。
12歳以下の子どもの発症が多く、引っ掻いてしまい、他の皮膚に感染し次から次へと広がりやすいです。
また、伝染性軟属腫ウイルスは毛に感染すると考えられていて、毛のない手のひらや足の裏にできることはほぼないと思われています。水イボは自然治癒か早期治療か、皮膚科医の判断が分かれるところですが、5個以上になると早期治療されることをおすすめします。
漢方では同じく、漢方薬・生薬・オリエンタルハーブなど、その方にあったものを選択していきます。
イボにかからないようにするには?
イボが完治してほっと束の間、また新しいイボが・・・。
というのはショックですよね。
イボには原因ウイルスがあって、ウイルスに感染する皮膚病である、ということは、やはり皮膚のバリア機能を正常にして、免疫力を高めておくことが最上の予防策であるといえます。
イボができやすい方、疲れやすかったり、風邪をひきやすかったりしていませんか?
皮膚のバリア機能を整え、免疫力を高めたい!という方は、お気軽にもも木薬局へご相談にいらしてくださいね。あなたにピッタリの方法を一緒に考えていきましょう。